【初耳学】読みたいことを、書けばいい【田中泰延著】

今回の林先生の初耳学「3分でわかる林先生のベストセラー学」で選ばれたのは、コピーライター田中泰延(たなかひろのぶ)先生の【読みたいことを、書けばいい】でした。
Contents
読みたいことを、書けばいい
「読みたいことを、書けばいい」は発売から1ヶ月で6万部を突破したベストセラーだということ。
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田中泰延先生の本
「読みたいことを、書けばいい」の著者は元電通(24年間勤務)のコピーライターである田中泰延先生(49歳)。
コピーライターといえば広告代理店の花形ですが、言葉にこだわりを持っている林先生が読んでも面白くて仕方がなかったそう。
46歳で退職して名乗った肩書きは「青年失業家」だったとのこと。

エントリーシートの書き方
田中泰延先生が電通に採用された時のエントリーシートは…
・志望動機:御社が私を必要としているように感じたので
・長所・短所:博覧強記 質実剛健
・学生時代頑張った活動、それによって身につけた入社後に活かせること:4トントラックのことならなんでも聞いてください
・今まで一番苦労したこと、その対処法:普通自動車運転免許の仮免に3回も落ちたのに、そのあとトラックの運転手になってしまったこと
・10年後のビジョン:社会に適切に振り分けられ、誰かの役に立って報酬を受け取っているでしょう
・尊敬する人とその理由:父。結婚を6回しているので
・あなたの座右の銘とその理由:私は、ハンカチ主義者です。

「ナメてる」って思いますよね…
エントリーシートに何行もぎっしり書くのは、
何百人も見る面接担当者は見たくないと感じたので、
自分の経験から「これだけはわかるよ、これだけは得意だよ」
というのをキャッチコピーのように書けば読んでもらえるのでは?
と、読み手のことを考え抜いて田中泰延先生は書いたそうです。
物書きは「調べる」が9割9部5厘6毛
林先生が最も感動したのが
物書きは「調べる」が9割9部5厘6毛
というフレーズ。
書くということは、
「物事に触れてこう思った」
ということなので、
最初から
「私はこう思った」
ばっかり言っても、全く面白くない
と、田中泰延先生は言います。
つまらない人間とは「自分の内面を語る人」
ツイッターでもつまらないツイッターをしている人は、
朝起きたら「眠い」って書いてる。
心象が出てくるとダメ。
その時に調べていることがあれば、
もしくはどこかから聞いた知識でも、そこにくっつければ聞いてもらえるわけです。
- めっちゃ眠い
- 疲れたー
- お腹すいた
こういったことだけではまったく人に響きません。
田中泰延先生のツイート
田中泰延先生のツイートで自分の気持ちが述べられているのは最後の一部分だけ。
「涙」っていい漢字だなあ。
水を、戻すんだよ。
雨が降って、川になり、いつしか水があなたの中にやどり、またこの世界に戻っていく、それが「涙」なんだ
って適当なこと書こうとして念のため字源調べたら
「耳を立てた犬」
とか出てきて最高にわけわからない。 pic.twitter.com/7ZAdzSnPY2
— 田中泰延 (@hironobutnk) February 5, 2017
ここでは「最高にわけわからない」が自分の気持ち。
関ヶ原の合戦で名前が出てくる人ですね。
調べたところ
『田中氏は『寛政重修諸家譜』によると近江国高島郡田中村の出身であった。また先祖は近江源氏高島氏の一族で田中城の城主であったともいわれる。織田信長の高島郡進攻により田中氏は当時は帰農していたとされる。』
おお、ニセ系図作るぞ!! https://t.co/g3FJqmDGp9
— 田中泰延 (@hironobutnk) April 19, 2019
ここでは、「おお、ニセ系図作るぞ!!」が自分の気持ち。
残りで自分の気持ちを書いているということ。
これこそが人に読まれる文章の基本だということ。
情報の調べ方
ネットで情報は簡単に調べられますが、
5つのサイトに同じことが書いてあったら本当かなと思うものの、
その5つが全部同じコピー元で全部間違ってるということがしょっちゅうあると田中泰延先生は言います。
正確な情報は図書館から得ろ!
正確な情報の入手方法としておすすめなのは図書館を利用することだそうです。
特に田中泰延先生が相談するのは司書さんだということ。
「こんなこと調べたいんですけど」
と聞くと、
司書さんの方から逆に質問をしてくれるそう。
・こういう資料じゃないですか?
・この図書館にはないけど、あっちの図書館にありますよ
などと教えてくれるとのこと。
林先生の3分間授業
林先生が感じたのは書くということはコミュニケーション能力を伸ばすことだと言います。
「気持ち」と「事象」の2つの関係をきちんと組み立てる
「書くことはたった一人のベンチャー起業」
田中泰延先生は本も6万部、メディアにも取材されて、
実際に起業に成功されている。
しかし、文章を書いたからといって
みんながうまく起業できているわけではない。
むしろ、誰かが書いてことで炎上したり、
マイナスな状況を引き起こしてる人もたくさんいる。
大事なのは、
「気持ち」と「事象」の2つの関係をきちんと組み立てること。
何かの思いを伝えるに当たって、それを伝える材料としての事柄
そのためにはやはり、
物書きは「調べる」が9割9分5厘6毛
とことん、事実に支えられた文章を仕上げて、
そこに自分の思いをのせる。
そして、調べるにあたっては、
一次資料を調べることが重要。
どこかのネット記事を見て、それを利用している文章はたくさんありますが、
それでは人の心に届かない。
コミュニケーションツールとしての「書く」
書くということは、
自分の人間関係を開いていくこと。
1つ1つの言葉の積み重ねによって人間関係を開いているので、
文章は本にとどまらない。
コミュニケーションの基本、そのものまで私たちにヒントを与えてくれている。
世の中には挨拶1つだけで人間関係を閉ざしてしまう人さえいる。
挨拶の失敗だけでバサッと見切られていることは世の中にたくさんある。
どういう言葉で、
どんな風に関係を開いていけばいいのか?
どうしても自分語りをしたくなるものの、
それでは本当はつまらない。
でも、そんな中でも最終的には自分の思いを伝えたい。
「言葉」や「書く」といった
大きな影響力を持つツールを
どう使えばいいのかを私たちに教えてくれる
原点を目覚めさせてくれる貴重な1冊、
それが
【読みたいことを、書けばいい】
だと、林先生はまとめてくれました。
まとめ
「腹減った…」とか「だりー」とか自分の気持ちばかり書いてしまいがちですよね。
でもそれじゃ誰の何の役にも立たないと。
気をつけよう!